🌙 導入
ホラーって、国によって“怖がり方”が全然違うんですよね。
私は今年、韓国で話題になった**『Dark Nuns』と『Ghost Train』、それから日本の『事故物件ゾク 恐い間取り』**を立て続けに観ました。
同じホラーなのに、まるで別ジャンルを見ているような体験でした。
日本のホラーは、静かで、どこか悲しみを含んでいる。
でも韓国のホラーは、強烈で、感情がむき出し。
「呪いの家」と「霊との契約」。
この2つの違いは、国の文化とか、宗教観とか、もっと深い“心の作り”に関係している気がします。
今回は、私が実際に作品を観て感じたことや、現地で拾った情報をもとに、
「なぜここまで違うのか?」を一緒に覗いてみましょう。
🎬 1. まずは“証拠”から:2025年の話題ホラー3本
『Dark Nuns(검은 수녀들)』
2人の修道女が禁じられた儀式で悪霊に挑むという設定。
韓国では今年1月に公開され、Variety誌でも興収1位を記録。
海外ではWell Go USA公式から配信展開中で📖
私も映画館で観ましたが、もう…音がすごい。
儀式の太鼓と祈祷の声で心臓がドクドクする。
「祓う」というより「戦う」。
日本の静かな除霊とは真逆で、“信仰の力”が熱を持って襲ってくる感じでした。
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『Ghost Train(괴기열차)』
ホラー系YouTuberが“怪しい駅”の噂を検証に行く、という都市伝説モノ。
韓国では7月公開、予告編はYouTube公式でも観られます。
この作品、SNS時代の怖さが本当に上手い。
「再生回数を稼ぎたい」という人間の欲望が、そのまま怪異のトリガーになっていくんです。
観ていて「うわ、今の時代っぽいなぁ」ってゾクッとしました。
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『事故物件ゾク 恐い間取り』
日本では7月公開。松竹の公式サイトに詳細があります。
前作よりも“体験型”に進化していて、観客がどの程度まで怖がるかを選べるという面白い仕掛けが。
私も試写で観たんですが、
終わってからもしばらく「部屋の隅が気になる」んですよね。
静けさの中で“何かが残っている気配”を感じる。
これが、日本ホラーの本質的な怖さだと思います。
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🔍 2. 日韓ホラーの“怖さの骨格”って、こう違う
観点 | 日本ホラー | 韓国ホラー |
---|---|---|
恐怖の中心 | 「場所」「記憶」「呪い」 | 「人間」「契約」「代償」 |
宗教的テーマ | 供養・鎮魂 | 儀式・報い・祓魔 |
感情トーン | 静寂・哀しみ | 熱・罪悪感・怒り |
解決の形 | 祓う/鎮める | 破る/清算する |
たとえば、日本の『事故物件ゾク』は「その部屋に残るもの」を描く。
一方、『Dark Nuns』は「自分が招いた代償」を描く。
要するに──
- 日本の恐怖は“他人の死”を覗くもの。
- 韓国の恐怖は“自分の罪”が返ってくるもの。
同じ「ホラー映画」でも、観客が感じる罪悪感の種類がまるで違うんです。
🎧 3. 感じ方の違いは“音”にも出る
これは実際に観ると分かります。
日本のホラーは“静けさ”が怖い。
無音の中で、空気が張り詰める瞬間がある。
韓国のホラーは、逆に“音”で襲ってくる。
『Dark Nuns』の祓いの場面なんて、低音が体を震わせるレベル。
「信仰」や「罪」の重さを、音で体感させる演出なんですよね。
🧩 4. 現代ホラーが映す「私たちの不安」
韓国ホラーがSNSや配信者を題材にするのは偶然じゃない。
現代の“承認欲求”や“他人の視線”こそが、今いちばん身近な恐怖なんです。
一方で日本は、「残留」「忘れられない」「そこにまだいる」。
どちらも現代社会の孤独や不安を映しているけど、表現の方向が真逆なんですよ。
💬 5. よくある質問
Q. どれから観ればいい?
→ スリルを味わいたいなら『Dark Nuns』。SNS世代の怖さなら『Ghost Train』。静かに凍りたい夜は『事故物件ゾク』。どれも違う種類の“恐怖エンタメ”です。
Q. 『Dark Nuns』って配信で観られる?
→ 北米はWell Go USA公式で配信中。日本は順次展開予定。祓いの音が本当にすごいので、ヘッドホン推奨。
Q. 日本ホラーって地味じゃない?
→ 静かだけど“後を引く”んです。韓国が「ドン!」と一撃なら、日本は「じわ…」と染み込む感じ。どっちも怖さの種類が違うだけ。
🩸 まとめ:怖さは“文化”の形をしている
ホラーって、結局は国の心を映す鏡なんですよね。
日本は“残るもの”を恐れ、韓国は“報い”を恐れる。
どちらも、人間が作った「祈り」と「恐怖」の物語。
そして──2025年。
その違いが、過去最高に鮮明に映し出された年だったと思います。
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